目次

1.健康食品って?1, 2

2020年から流行した新型感染症の影響で、私たちの生活は一新されたと思います。外出制限やワクチン摂取、食生活の変化など多くの変化があったと思います。その中でも「健康」に関心を持ち、健康食品を購入された方が多いのではないでしょうか。これらを2つの目線で見ていきましょう。

1.1.人々の意識

人々の意識といった目線で見ると、厚生労働省が令和元年に実施した「国民健康・栄養調査」によると、男女ともに食習慣改善の意志について、現在進行形で改善している方、現在はしていない方含めて、食習慣改善について多くの方が、「関心はある」と回答しています。しかし、健康な食習慣の妨げとなる点の質問では、男女ともに30歳~59歳の方の多くが仕事や家事、育児が忙しくて時間がないと回答しています。この結果から「健康には気を付けたいと思っているが、時間が無く、取り組むのが難しい」というように推察できます。

1.2.健康食品市場

健康食品市場目線で見てみると、2022年度の推移になりますが、健康食品市場の規模は緩やかではありますが、右肩上がりで推移しており、このままのペースで市場拡大が見込まれています。2020年から流行している新型感染症拡大の影響で、多くの方の健康へ対する関心が向上したことに加えて、今までとは異なる生活習慣を強いられたことによる身体面・精神面への対応として健康食品、機能性表示食品が注目されていることなどが、健康食品市場の拡大に繋がっていると考えられています。また、2023年1月現在、新型感染症の影響は緩和されつつありますが、感染症以前の生活に戻れてはなく、身体面・精神面への不安は払拭されていないと考えられるため、これからも健康食品の需要は継続していくと考えられます。

  • 参考: 健康食品市場に関する調査を実施(2022年) | 株式会社矢野経済研究所2
  • 参考: 特定保健用食品の市場および表示許可の状況 | 公益財団法人 日本健康・栄養食品協会3

これらの推察より、健康食品業界はこれからも発展していき、需要がある業界だと考えられます。

    

2.健康食品開発までの流れ4, 5

本節では、実際に健康食品の商品開発の流れを説明していきます。

2.1.情報収集

はじめに、情報収集です。例えば、健康食品の市場ではどういう効果・効能の商品が人気なのか、需要が多いが供給が少ない効能は何かなど、多種多様の情報を収集できます。また収集方法も、インターネットやアンケート、座談会など、多岐にわたります。そのため、必要な情報を明確化し、取捨選択をしながら行っていきます。

2.2.収集した情報を分析

情報収集を行った後は、収集した情報の分析を行います。分析方法は多岐にわたりますが、分析方法によって求められる結果が異なってきます。そのため、分析方法の特徴をしっかりと理解していないと、必要な情報を求められなくなります。なので、しっかりと「どの情報が必要なのか」を明確化して行います。

2.3.商品内容を確定させる

情報分析を行った後、求めた情報を用いて、具体的な商品の内容を確定させていきます。どのような効能・効果を使うか、パッケージのイラスト、販売金額など、実際にどのように健康食品を販売していくかといった販売戦略を具体的に決定し、商品に落とし込んでいきます。

2.4.開発した健康食品の有効性・安全性の確認

健康食品の商品開発では、実際に有効性・安全性を検証する必要があります。実際には、健康食品は法律上、定義されておらず、医薬品ではなくて健康の維持・増進のために継続的に摂取される食品全般を指しています。そのため、本当に健康の維持・増進に役立つか、傾向的に摂取しても安全か、と言ったことを確認する必要があるわけです。

3.健康食品の情報収集

本節では、健康食品開発で特に重要と考える情報収集について、解説していきたいと思います。

3.1.情報収集

上記で例に挙げたインターネット、アンケート、座談会の違いについて解説します。

3.1.1.インターネット

はじめにインターネットです。インターネットのメリットは、多種多様で大量の情報を取得できる点です。インターネットが発達している現代では、多くの情報をインターネットで検索することが出来ます。そのため情報量は他の調査方法と比較して圧倒的に多いです。しかし、インターネットに存在する情報は、事実とは異なっている場合があります。そのため、情報の真偽をする必要があります。

3.1.2.アンケート

次にアンケートです。アンケートのメリットは人件費が他の2つよりもかからない点です。アンケート調査を行う際、一度アンケートのフォーマットを決めてしまえば、それを複製し、モニターに送付するだけで、データが収集できます。インターネットは調査し精査するため時間がかかりますし、座談会は、会場の予約から始まり、アンケートに比べると準備に時間と費用がかかります。そのため、アンケートは手軽に調査できる媒体となります。しかし、アンケートはモニターが解答してくれること前提になります。なので、アンケートを送付したが、結果が返ってこなく、データが集まらないといったことも発生します。よって、収集率を上げるための工夫が必要です。

3.1.3.座談会

最後に座談会です。座談会のメリットは触感や舌ざわりなどの、実際の感覚を調査できる点です。座談会はモニターの実際の使い方を見ることが出来ます。そのため、実際に購入した方がどのように使用するか、食べる際に、どのように取り出して食べるかなど、消費者の行動を確認することが出来ます。また、その場で食べていただくので、食べたときの舌触りなどの感覚を直接聞くことが出来るのも、座談会のメリットです。しかし、インターネットやアンケートよりも、費用も時間もかかってしまうため、座談会を行う際は、座談会ならではの情報を適切に入手することが重要になります。

3.2.有効性・安全性確認

有効性・安全性の確認については、健康食品として販売するためにとても重要なことになります。実際に有効性が確認されていない食品を健康食品として販売することはできません。そのため、しっかりとした有効性・安全性のエビデンスが重要になります。

4.特定保健用食品・機能性表示食品6, 7

いくら食品に効能があるとは言え、パッケージに効能を記載するのは難しいことが多いです。実際に多くの食品が景品表示法違反などの法的理由で取り締まられています。しかし、食品の中でも、厚生労働省が機能性をパッケージに記載することを許している食品が存在します。それは「特定保健用食品 (トクホ) 」と「機能性表示食品」であり、健康食品に分類されます。これらの制度は、対象の食品の有効性・安全性をしっかりと検証を行い、事前に届出を行えば「健康の維持・増進」の範囲内でパッケージに効能を記載できるといった制度です。パッケージに効能を記載することによって、他の食品との差別化が図りやすく、なおかつ消費者の注目を集めやすくなります。

5.まとめ

ここまで、健康食品について記載してきましたが、この業界はまだまだ発展していく業界だと思っています。また、発展していけば現在よりも、より良い食品が多く販売されます。そこで重要になってくるのが、業界の情報収集や健康食品の有効性・安全性といった人を使ったデータ取得だと思います。このデータ取得をしっかりと行い、健康食品も視野に入れてみてはいかがでしょうか。

6.オルトメディコのマーケットリサーチ事業

弊社、株式会社オルトメディコは設立当初からヒト臨床試験を通じて、健康意識の高い方々と常に交流してきております。また弊社では「Goトーロク」という自社バンクを運営しており、この自社バンクには健康意識の高い方々に多くご登録いただいております。そのため、安全性や調査したい有効性に適したモニターを選抜し、ご提供することが可能です。その他にも、分析やアンケートや座談会と言ったデータ取得もご対応可能でございます。もし、何かデータ取得でお考えございましたら、お気軽にご連絡ください。

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7.脚注